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  • 執筆者の写真Makoto Furukawa

ポッドキャスト感想〜オトマーケその1

更新日:2022年7月1日



今回は、日本の音声ビジネスの世界では第一人者と言えるオトナル八木タイスケさんの番組「オトマーケ」。オトナルはかなり早い段階でネット時代の音声の力に注目していて、コンテンツの中身を作る側ではなく、配信の仕組みや広告システムを開発されています。八木タイスケさんは元々は女性をターゲットにしたビール関連情報を扱うWEBメディアを、その前は左利き専門の楽器屋さんをやっていたそうで、「ニッチ」というところが音声に目をつけた(耳をつけた?)理由のようです。


毎回情報量が多く、質の高いトークを展開されているのですが、今回はその中でもトップクラスの難しさ。セカイカメラを開発した会社の元CEOで、シリコンバレーで活躍している起業家の井口尊仁さんをゲストに迎えてトークしていきます。この井口さんが、時代の一歩先どころか一般人には理解不能なかなり先を見据えている方で、過去の業績のお話などを聴いていると驚きの連続です。その一つはClubhouseができる前に、すでに音声SNSを開発していたというエピソード。そんな天才的な井口さんが今、なぜ音声に注目しているのかを前編・中編・後編の3回で語っています。1本の情報量が多いので、まずは前編から紹介していきます。


導入は井口さんの「人となり」の紹介で、大学時代のエピソードが披露されています。印象に残ったのはコードを書くことにハマりすぎて、ついに現実社会がコーディングされたビットデータに見えてしまったという逸話。映画「マトリックスシリーズ」の世界をリアルで体験したほどの頭脳の持ち主です。

そしてメイントークは井口さんが開発中のオーディオメタバース。ベータ版が公開されている「Cubemint」についてのお話です。まずはその前段階の「そもそもメタバースとは何か?」というテーマから始まります。いろんな解説本も出版されていますが、その解説を井口さんから直接聞くことができるのがポッドキャストの良いところ。

井口さんの解説によれば、

1、「ライブメディアである(実時間と同時に存在・進行している世界)」

2、「没入感が感じられる世界」

というのが一次的な定義とのこと。そして二次的に、

3、「その世界が複数存在し(マルチバース)、選択可能である」

というのが、今語られているメタバースの意味だそうです。


メタバースを上記のように定義しつつ、それを音声で実現する「オーディオメタバース」とはどんな世界か?井口さん曰く、そもそも音声には「その場にいるなような感じ」がすでに備わっているので、それ自体がメタバースの概念に非常に近いとのこと。その上で、空間オーディオ技術を使って現実社会に近い形のコミュニケーションを可能にする世界だそうです。


ここで面白いと思ったのは没入感を生み出す映像を、音声という一つ次元が低く、データ量の少ないものに置き換えるのではく、”没入感を上げるために映像よりも音声を選んだ”という点です。井口さんは過去にGoogle Glassに真っ向から勝負を挑んだウェアラブル端末Telepathyも開発していて、その中で視覚情報には限界があることに気づきました。そして触覚や聴覚を使った方が役に立つと考えるに至ります。さらに、私たちは現在、HTMLのテキストベースのインターネットを使っていますが、UIすら必要としない音声ベースのインターネットに変われば、日常会話で交わされる言葉や録音された声がインターネットで繋がり、それぞれがリンクを張り巡らせ、とんでもないメディアが登場すると予想しています。そしてその登場はそう遠くない未来であるともおっしゃています。


また最後に、NFTとメタバースの親和性が高いのはなぜか?という八木さんの質問にも答えています。八木さんは「わかりました」と理解早い感じでしたが、僕にはかなり難しく、なんとなく「現実世界」における生産性・希少性などの情報が貨幣で取引されると同様、「仮想空間」における生産性・希少性などの情報は仮想通貨で取引される、と理解しました。アバターの服や武器、メタバース上で開催されるライブの入場料など、円やドルで払うような「手間」のかかることはせず、メタバースではバーチャル上の価値に基づき、バーチャル上で決算する方が合理的という考え方だと勝手に理解しましたが、果たしてあっているのかどうか...


前編40分程度でこの情報量なので、中編・後編と一つずつ感想を書いていきます。最後までお読みいただき、ありがとうございました。感想・ご意見などお待ちしています。



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